Concept

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作品は、木地の上に粘土を塗って仕上げています。

やきものではなく、竹を格子に組んだ下地に土を付けていく土壁と同じ技法です。
私の場合は、竹の代わりが布目になります。土は採取地によって様々です。

例えば、有機物を多く含むと黒くなり、鉄分が多いと赤味が強くなります。
沖縄の方は暑いので、有機物の分解が早く進み、鉄分が残りオレンジ色の土が採れるそうです。
昔々、海でゴカイの死骸が堆積したところには緑色の土が採れると言われます。
ゴカイには銅の成分が含まれているそうです。日本では笹土と言ったそうですが、採りつくされてしまったとか…。
海外では天然緑土をテルベルトの名で画材として使われまていましたが、すこし前から緑土は使用出来なくなり、
複合顔料にとって変わりました。その為、現在は一部ですが有機顔料や複合顔料を土と混ぜて使用し、
より色彩の幅を広げた表現も始めました。

自然の中には実に豊かな色彩があり、その色土を使い、布張りした木地の下地に数層塗り仕上げていきます。
表情や色味は、土の粒子を粗くしたり、きめの細かい所を採ったり、砂や麻を混ぜたりして作っていきます。
艶は表面を滑らかに磨いて出した光沢で、その方法や磨く道具によっても変化します。

自然素材ですので、使っていくうちにつくシミや傷は、味わいとして楽しんで頂ければと思います